マラソン初心者の方はどのようなトレーニングをしていますか?意外にも「ただ走ればいい」と思っているマラソン初心者の方が結構多いです。
走ることも当然重要ですが、それ以上に重要なトレーニングは、「筋力トレーニング」です。
筋トレとの組み合わせによるトレーニングを行うからこそ効果は十二分に発揮されるのです。
マラソンにおける筋トレの重要性や正しい筋トレ方法を動画でご紹介いたします。
Contents
マラソン初心者こそまずは筋トレから
なぜマラソン初心者ランナーこそまずは筋トレからなのか?
当然、筋トレは筋力不足を補うのが一番の目標です。筋トレにはもう一つ大きな役割があります。それは「ケガの予防」です。
ケガといっても筋力が弱く転んでケガをするということではなく、知らず知らずのうちに関節に変な負担がかかり膝が痛くて走れないというようなスポーツ障害です。運動不足だと関節等が弱っていて急に走ったりすると非常に負荷がかかり障害につながります。筋力トレーニングをしておくことによってそういう障害や怪我の予防ができます。
スポーツ障害にはいろいろありますが、ランナーはやはり「膝痛」が多いですね。この膝痛予防に効果が絶大なのが「筋力トレーニング」です。
しかし、この筋力トレーニングにも落とし穴があります。
- 正しいフォームで行わないと効果が出ないばかりか逆にケガにつながる。
- 個人差(体型や体力)を考慮したプログラムじゃないと効果が出ない。
この2点は特に注意しなければならない要素です。
マラソン完走に必要な筋トレメニュー3選
では、具体的にどのような脚筋力トレーニングをすればいいのか?
- スクワット
- レッグランジ
- ジャンプ
これの組み合わせです。他にもありますが最低限この3つは実践しましょう。
このスクワット、レッグランジ、ジャンプの筋トレ方法をご紹介いたします。
スクワットの正しいフォーム
正しいフォームをマスターして欲しいエクササイズの代表が「スクワット」です。膝の使い方、上体の使い方etc。
スクワットでは、太ももとおしり、背中の筋肉を鍛えます。
スクワットの正しいフォームは、足は肩幅よりや広めに開きます。つま先は並行よりや外向きです。手はバランスを保つために前に伸ばします。
そのフォームのまま、後ろに椅子があるイメージでゆっくりと腰を落します。膝の角度が 90度になるまで落とします。そしてまたゆっくりと立ち上がります。
スクワットする際のポイントは
- ゆっくり行うこと
- 足は肩幅よりやや広めに開く
- つま先はやや外向き
- 視線は正面
- 胸を張って背筋を伸ばす
- 腰を落としきるまでに5秒以上かける
- 腰を落としきったときの膝の角度は90度
- 腰を落としきったときの膝がつま先より前に出ない
- 立ち上がりきるまでに5秒以上かける
- 立ち上がるときに息を吐く
以上のことを意識しながらスクワットしてみてください。これはあくまでも一例であり、効果的なスクワットの方法は他にもあります。
では動画でスクワットの正しい動きをご紹介致しますので、ご覧下さい。
【動画:スクワット 自重負荷 初心者向き 手頭後ろ】
【動画:スクワット 自重負荷 初心者向き 手前に伸ばして】
レッグランジの正しいフォーム
次に「レッグランジ」。走る動作に近付けたトレーニングで、脚を交互に踏み出すエクササイズです。
手を腰にあてて左右の足を交互に前へ出します。前に出した方の膝がつま先より前に出ないよう注意する。上半身は真っすぐ起こすこと。
レッグランジする際のポイントは
- 勢いよく行う
- 手は腰に当てて視線は正面
- 胸を張って背筋を伸ばす
- 片方の足を前へ振り上げるように出して着地する
- 着地したらその勢いで素早く元の位置に戻る
- 着地したときに膝がつま先より前に出ない
- 着地する足のつま先は正面かやや外向き
- 左右交互に行う
- 呼吸は地面を蹴って元の位置に立ち上がりながら戻るときに吐く
スクワットもレッグランジも膝の屈曲伸展(曲げたり伸ばしたり)を伴います。この時の膝の動きが重要なんです。
ここでは説明しずらいのですが、簡単に言うと膝が内側に入らないようにすることです。「ニーイン」と称しますがこのニーインになっている人がかなり多いのです。
そのままランニングやトレーニングを続けていると、せっかく慣れてきたころに「膝が痛くなってきた!なぜだろう?」なんてことになるのです。
それを予防するためにも、まずはニーインに注意して歩行やランニング、筋トレを実施してください。
パーソナルトレーニングジムなどでは、ランニングマシンで実際に走って動きをチェックし、自分では気づかなかったフォームの乱れ等をチェックしてプログラムに反映させます。
レッグランジの基本動作を動画でご確認下さい!
【動画:レッグランジ動画 自重負荷基本動作 手は腰】
ジャンプの正しいフォーム
次はジャンプ。ジャンプはただその場でジャンプするだけです。スクワット、レッグランジに比べると低負荷な筋トレではありますが、脚の筋肉はもちろん腹筋や背筋も使用するので全身の筋肉も鍛えられます。
ジャンプする際のポイントは
- フワッと飛んでやわらかく着地
- 足裏全体で着地(かかとまでしっかり落とす)
- 膝のクッションを使いやわらかく着地
- 飛び上がる時に息を吐く
【動画:脚筋力トレーニングその場ジャンプのやり方】
またスクワット、レッグランジ、ジャンプの具体的な方法はこちらの動画でも詳しく紹介されていますので、真似してやってみるのも良いと思います。
何回やるのか等は個人差があるのでここでは決められませんが
- スクワット15回
- レッグランジ30回
- ジャンプ30回
とりあえずこれを1セットとして、グルグルと数セット行います。最初は3セットから慣れてきたら5セットはやるようにしましょう。
こういう方法をサーキットトレーニングといいます。
練習期間が3か月だとしたらこれを週に5日はやりましょう。
このサーキットトレーニングを週5日、走るトレーニングを週2日くらいできればかなり有効なトレーニングになります。
上半身の筋力トレーニングは必要ない?
マラソン完走するには下半身の筋力アップが大切ということをお伝えしましたが、上半身の筋力トレーニングは必要ないのでしょうか?
答えは必要ありません。マラソンを完走するために上半身の筋力トレーニングは必要ないということです。
いい記録を狙うとか、勝負に勝つということとなれば話は別ですがあくまでも完走するということ。それも初マラソンであればなおさら上半身の筋力トレーニングは必要ありません。
体力づくりという観点から言うと上半身の筋力トレーニングをした方がいいです。ですが、初心者がマラソンを完走するためにおいては上半身の筋力トレーニングは必要ありません。よって下半身の筋力トレーニングに絞ってトレーニングしましょう。
個人差(体型や体力)を考慮したプログラム
個人差(体型や体力)を考慮したプログラムじゃないと効果が出ないどころか、「まだ筋力が足りないのに強い負荷をかけてしまった」。「それを続けていたら慣れてきたころに膝や腰が痛い!」なんてことがあります。
またその逆で、筋力が十分あるのに安全を重視するあまり、「負荷が弱過ぎていつまでたっても結果が出てこない」というケースもありますね。
自分に合った負荷、トレーニングプログラムを見出すにはそれなりの「知識と技術と経験」が必要です。
自分で勉強してやってもそれなりにはやれますし、それで十分の場合もあります。
しかし、「実際に膝が痛くなった」とか「何かしら不安要素のあるあなた」には、運動やランニングの専門家の指導を受けることをお薦めします。マラソントレーニングもまずは筋トレとストレッチングで基礎を固めてからランニングです。
まとめ
マラソン初心者が優先してやるべきことは筋トレとお伝えしてきました。
とはいえ、走るトレーニングもやることには越したことはありません。
走るトレーニングは最初は短い距離3kmくらいから徐々に長くしていき10kmくらいの距離がゆっくり(時速7.0~8.0km位で)走れるようになれば十分です。
もちろんもっと走れる人は走るトレーニングをやるに越したことはありません。しかし走り過ぎにはくれぐれも気を付けてください。
練習で走りすぎて膝等の脚部を痛めてしまってはなんにもなりません。
ケガを防ぐためにも練習時間の少ない初心者は筋トレを優先してしっかりやりましょう。サーキットトレーニングも週5日ができなくても最低でも週2日はがんばってやりましょう。
この脚筋力トレーニングをしっかり行うことが、マラソン初心者が短期間の練習で初のフルマラソン完走へ導く究極の練習法です。くれぐれも無理はしないで、フルマラソン完走の感動を味わっていただけることを祈ってます!