近年スポーツと心拍数の関係が注目されています。
マラソンで走っている間は心拍数が高くなります。そして心拍数が高い状態も他のスポーツに比べて長いです!マラソンを行う上で心拍数は気になるところですね。
また、最近効率的なトレーニングとして注目されている心拍トレーニングがあります。こちらはマラソンでも有効です。
心拍トレーニングが流行った背景には、ランニングウォッチで手軽に心拍数が計測できるようになったことがあります。
心拍トレーニングが気軽に行えるようになった今、練習に取り入れてみませんか?
ここでは「マラソンと心拍数の関係」や「心拍トレーニング」について紹介します。
Contents
マラソンと心拍数の関係
心拍数を活用した心拍トレーニングについては後述します。まずは、マラソンと心拍数の関係を見てみましょう。
マラソンで気を付けることの1つに「オーバーペース」があります。
これは無理をしてトレーニングや大会で走り過ぎてしまうことです。当然ケガに直結しますので絶対に防ぎたいですね。
では、なぜオーバーペースが起きるのでしょう?
普段は自分のペースを把握して「〇kmを〇分で走る」といった目標を立てるのですが、その日の天候やコース、体調によって体にかかる負荷は大きく違います!
例えば以下のような場合です。
いつもより気温が低い・いつもより湿度が高い・風が強い・アップダウンの激しいコース・雨が降っている・お腹の調子が悪い・水分補給を忘れたetc…
必ずしも自分の期待通りのシチュエーションというわけではないですね。そんなときに役立つのが心拍数です。
心拍数とは心臓が1分間で拍動する回数のことです。なので自分の感覚ではわからない体調も正確に把握可能です!
例えば、ペースは普段と同じなのに心拍数が高い!といった場合、ペースを落として調整することができます。オーバーペースが各段に減って怪我の防止に繋がります。
そして、心拍数を利用した心拍トレーニングも取り入れることができるので練習の幅が広がりますね。
心拍トレーニングとは?
簡単に心拍数が測れるようになりましたが、それをどうやって活用するかが大事です。
ポイントは目指す目標によって狙う心拍数は違うということです。
具体的には「サブ4を目指す」、「今より痩せたい」、「もっと長距離走りたい」など。それぞれに最適な心拍数があります!
心拍数から運動強度を把握できる
例えばAさんとBさんが10kmを40分で走ったとします。2人のタイムは同じということです。
ここで注目してほしいことが2人の疲労感です。当然2人とも違いますね。
距離やペースを測定しても、実際の負荷を正確に測ることは難しいと思います。そこで心拍数に注目してみましょう!
目的別!最適な心拍数
それぞれの目的に合った心拍数を見ていきましょう。以下のように計算式があるので便利です!
- ウォーミングアップや健康目的の軽い運動
最大心拍数50~60% - 脂肪燃焼やダイエットが目的
最大心拍数65~80% - 最大酸素摂取量をUPさせる
最大心拍レベルでのトレーニング
用語説明!最大心拍数とは?
心拍トレーニングでよ聞く言葉が最大心拍数です。上記で紹介した心拍数の計算でも使用します。
最大心拍数とは、その名の通り心拍数を限界まで上げた状態の数値です。こちらはランニングウォッチで測ることもできますが計算式でも出せます。
心拍ゾーンで見ると便利!
最近のランニングウォッチには心拍ゾーンが表記されているタイプがあります。これが大変便利で一目で強度がわかるようになっています。以下に目安となるゾーンと該当する効果について表にしました。
心拍ゾーン一覧
それぞれ「最大心拍数」を○○%で計算すると数値が出ます。
■ゾーン1(50%~60%)
【状態】
ほとんど息を切らさずに走れる
【効果】
軽いランニング・ウォーミングアップ
■ゾーン2(60%~70%)
【状態】
多少息切れ・快適な状態で走れる
【効果】
無理のないマラソントレーニング・脂肪燃焼効果
■ゾーン3(70%~80%)
【状態】
ややきつい強度
【効果】
最適なマラソントレーニング・初心者から中級者へのステップ
■ゾーン4(80%~90%)
【状態】
かなりきつい強度・息があがる
【効果】
高強度マラソントレーニング・アウターマッスルへの刺激・乳酸耐性向上
■ゾーン5(90%~100%)
【状態】
ほぼ全力
【効果】
筋力UP・最大酸素摂取量の向上・マラソンの上級者向け
上記のように心拍ゾーンによって目指すべき目的が変わってきます。もちろん、1回のトレーニング中に1つのゾーンばかりで走る必要はありません。
無理なくトレーニングを続けるコツは、走っているペースの7割を目的とするゾーンにすることです。
心拍トレーニングの実用例
フルマラソン完走に向けての心拍トレーニングの手順を説明していきます。
流れは以下の通りです。
2.最大心拍数
3.LT値
4.VO2MAX
まずは安静時の心拍数を把握しよう
運動していない状態の心拍数は基本の指標となるため測っておきましょう。心拍トレーニングをするにつれて安静時の心拍数は下がる傾向にありますよ。
最大心拍数から計算式をだす
最大心拍数とは、その名の通り心拍数を限界まで上げた状態の数値です。こちらはランニングウォッチで測ることもできますが計算式でも出せます。
最大心拍数がわかりましたら、それを元に先に紹介したゾーンに数値を当てはめます。
例)40歳の方がゾーン4(80%~90%)を行う場合
最大心拍数:208-0.7×40=180
ゾーン4時の心拍数:180×(80%~90%)=144~162
LT値をどんどん上げよう
LT値(lactate threshold)とは「乳酸性作業閾値」のことです。LT値を超えると急に乳酸が溜まり始めるので、マラソン大会に出るときはLT値を超えないように調整する必要があります。
また、LT値はトレーニングで引き上げることが可能です!その方法はLT値に近い数値で走り続けることです。
かなり負荷のかかるトレーニング方法ですが、効果は絶大なので余裕のある方は是非挑戦してほしいです。LT値アップに最適なトレーニングはペース走がおすすめですよ。
LT値の計算方法はこちらです。
ペース走については以下の記事をご覧ください。
VO2MAXを上げてマラソン中級者へ!
VO2MAXとは「最大酸素摂取量」のことで、体内に取り込める酸素の最大量になります。
長時間にわたる競技のマラソンは酸素量が多ければ多い程有利です。
そしてVO2MAXもトレーニングで鍛えることが可能です。それには最大心拍数が90%前後の負荷が必要となり、かなりハードなトレーニングをすることになります。
適したトレーニングは「ビルドアップ走」や「インターバル走」が最適です。
効果が高い反面、難易度も非常に高めです。無理のない範囲で行ってください。
まとめ
いかがでしょうか?今回は「マラソンと心拍数の関係」や「心拍トレーニング」について紹介しました。
ご自身に最適な「負荷」や「回復速度」を正確に判断するには、心拍数のチェックがかかせません。この記事で書いたことを実践すれば、より安全で効率的なトレーニングができるかと思います。
ぜひ参考にしてみてください。